注文住宅の間取りは、玄関の位置と階段の位置を最初に決めていくことが多いです。
階段をどこに配置するかで間取りや生活動線が大きく変わります。
生活しやすい家づくりのために、階段について知っておきましょう。
今回は、【注文住宅】階段の種類とタイプ、失敗しない位置、段数や踊り場についてご紹介します。
- 階段の寸法
- 階段の手すりと踊り場
- 階段の種類
- 階段のタイプ
- 階段の設置場所
- 階段の失敗をなくすポイント
- 階段をおしゃれにする方法
階段の寸法
階段の幅や高さなどの寸法は建築基準法で最低限のサイズが決められています。
- 階段幅:75cm以上
- 踏面(ふみづら):15cm以上
- 蹴上(けあげ):23cm以下
※階段幅は手すりの出っぱりは含まなくてよい
適正な範囲にしないと昇降しにくい階段になります。
(例)踏面22~24cm×蹴上20~21cm、勾配45°以下など。
階段を緩やかにしたい場合は、階段の段数を増やすのが有効です。
- 一般的な階段の段数は、13段~14段
- 最近の戸建て住宅は、階段の段数は14段~15段(天井が高い家が人気)
- 一般的に14段の階段サイズが1.8m(幅)✕1.8m(奥行)の1坪タイプ
- 1.8m(幅)✕1.25m(奥行)にすることで、ゆったりした段差にすることができる
建物全体の坪数に換算すると、わずか0.25坪程度の違いなので、検討してみましょう。
踏面が大きい方が安全性は高いのですが、蹴込みができてしまいます。
高齢者がつま先を引っかけてしまう可能性があるので注意が必要です。
手すりと踊り場
また、家庭内事故の第一位が「階段」です。
安全のため、手すりは必ずつけましょう。
途中に踊り場があるタイプの階段であれば、万が一足を踏み外しても踊り場までの落下で済みます。
我が家でも子どもが階段で転んだことが何度かありましたが、踊り場があったので下まで落下せずに済みました。
安全性という面でも踊り場を設けることは、とても大事です。
階段の種類
階段の種類は以下のとおりです。
- 箱型階段
- オープン階段
ひとつずつ、見ていきましょう。
箱型階段
多くの住宅会社で標準仕様となっているのが、箱型タイプの階段です。
1階と2階をつなぐ階段の下に段板と段板の間の蹴込(けこみ)があるので、 デッドスペースができてしまいます。
その部分を階段下を収納やトイレ、腰かけ、ベンチなどのスペースとして有効活用することができます。
トイレを入れる場合は階段の7段目の真ん中あたりに便器の背中がくるように配置します。
おしゃれさには欠けますが、リーズナブルな価格と実用性の高さから多くの住宅会社で標準仕様となっています。
かかる費用は、一般的な箱型階段は20~30万です。
オープン階段
蹴込がなく、対面が透けてみえるタイプの階段のことをオープン階段といいます。
スケルトン階段やストリップ階段もオープン階段です。
デザイン性の高さはもちろん、階段の下が完全にオープンになっているので、空間を広くみせる効果があり、光を採りこみやすく、部屋全体を明るく見せることができるので、人気です。
階段の材質も複数あり、木材、スチール、アルミなどから選ぶことができ、階段を木材にして手摺部分だけスチールにするなどの複合タイプも可能です。
かかる費用は、オープン階段の場合は40~60万円です。
オプション費用として別途20~30万くらいを考えておきましょう。
階段のタイプ
階段のタイプをご紹介します。
- 直線階段
- 折り返し階段
- 折れ階段
ひとつずつ、ご説明します。
直線階段
直線階段は、一直線の階段です(上端や下端が周り段になることもあります)。
必要な面積は、3尺角(910㎜)×3コマで、最も省スペースです。
メリットとデメリットは以下のとおりです。
- まっすぐでシンプルなので、昇降の効率が良い
- 足を踏み外したときに落下する距離が長くなってしまう危険がある
折り返し階段
折り返し階段は、U型に折れる階段です。
必要な面積は、3尺角(910㎜)×4コマですが、間取りに納まりやすい階段です。
メリットとデメリットは以下のとおりです。
- 足を踏み外した際に直線階段と違って落下の高さが半減することです。
- 曲がる部分で回り段ができることが多いため、回り段の部分が危険であることです。
踊り場を作ることで回り段をなくすことができますが、階段スペースは大きくなります。
折れ階段
折れ階段は、途中でL型に折れる階段です。
必要な面積は、3尺角(910㎜)×3.5コマです。
直線階段と折り返し階段の中間のような特徴があります。
メリットとデメリットは以下のとおりです。
- 足を踏み外したときの落下の距離が短くなること
- 折り返し階段と比べて昇降がしやすい
- 曲がる部分で回り段となる可能性があること
- L型なので収まりにくく、間取りを作るのが難しい
階段の設置場所
階段の設置場所は、主にリビングか玄関近くのホールです。
リビング階段
リビング階段は、リビングに階段を設置するタイプです。
最近では、子どもの教育上、リビング階段を設置するパターンが多くなっています。
リビング階段のメリットとデメリットをご紹介します。
- コミュニケーションが生まれやすい
- 家族のコミュニケーション機会が増える
家族は帰宅すると2階の自分の部屋に行くために必ずリビングを通ることになります。外出時も同様に、2階からリビングを通って玄関へ向かいます。
子供は思春期になると帰宅しても自分の部屋にこもってしまい、家族同士が顔を合わせる機会が減ってしまいがちです。
リビング階段を設置すれば、自然と家族が顔を合わせるような導線になります。
- 子どもが友達を連れてきたときに必ずリビングを通る
- 来客中に家族が帰宅したときや、出かけるときはお客様と顔を合わせなければならない
- 階段が吹き抜けとなって冷暖房が効きにくいこともある
- リビングの音が2階に聞こえる
- 2階の音がリビングに聞こえる
リビング階段を設置すると必ずリビングを通るので、気になってしまうことや気まずい思いをすることもありそうですね。
冷暖房に関しては、家の断熱性が向上したことで心配をする必要がなくなったので、リビング階段のニーズが増えているそうです。
ホール階段
ホール階段は、玄関を入ってすぐのホール部分に階段を設置するタイプです。
ホール階段のメリットとデメリットは以下のとおりです。
- リビングの音が筒抜けになることはない
- 2階の音もリビングには聞こえにくい
- 家族間のプライバシーを確保できる
- 冷暖房には影響しない
- 家族のコミュニケーションが減る可能性がある
- 玄関から直接2階の部屋に行ってしまうので顔を合わせる機会が減る
- 玄関で来客を対応しているときに、2階にあがる場合、女性の場合はスカートに注意
- 玄関近くに設置することが多いため、階段下にトイレを設置してしまうと来客時にトイレに行くことができない
階段の失敗をなくすポイント
階段の配置次第でスペースを無駄にしてしまう可能性があります。
階段の失敗をなくすためにはどうしたらいいのでしょうか。
階段の方向を間違えない
直階段は中央に向かって昇るようにすれば、部屋の面積を大幅にロスしません。
位置を間違えない
方向はよくても位置が悪いと廊下が多くできてしまいます。
廊下などの無駄な共用スペースを減らし、コンパクトで効率の良い家を希望するのであれば、階段の位置はなるべく間取りの中心付近に配置するのが理想的です。
廊下と階段はセット。階段は家の中心部分に配置したいですね。
階段をおしゃれにする方法
お手軽に階段をおしゃれにする方法は以下のとおりです。
ひな壇階段にする
ひな壇階段はその名の通り、横から見たらひな壇のように見える階段です。
ひな壇階段にアイアン手すりを取り付けるとさらにおしゃれです。
Instagramでもよく見る、人気の階段です。
我が家もひな壇階段にアイアン手すりを取り付けてもらいました。
壁にクロスを貼る
真っ白な階段も素敵ですが、アクセントクロスを貼ってみると雰囲気が変わります。
腰壁に穴を開ける
腰壁を四角や長方形にくり抜いたり、くり抜いた部分にガラスをはめたりできます。
下がり壁(垂れ壁)にする
階段収納の入り口や階段の入り口をアーチ型や家型などにすれば、おしゃれにできます。
【注文住宅】階段の種類とタイプ、失敗しない位置、段数や踊り場は?まとめ
今回は、【注文住宅】階段の種類とタイプ、失敗しない位置、段数や踊り場についてご紹介しました。
安全面も考えた、おしゃれな階段にしたいですね。
ご参考になれば幸いです。
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我が家が階段でこだわったことを以下の記事にまとめています▼